EN

IN TRANSIT 異なる文化を横断する
舞台芸術プロジェクト

異なる文化・価値・文脈と出会い、対峙し、とおく、世界へ。

「TRANS-」とは、超えてゆくこと、変化すること、遷移すること。国際的な展開をめざす舞台芸術の担い手の、その重要な過程に伴走し、とるべきアクションをサポートするプロジェクトとして、このプロジェクトを立ち上げました。
これからの舞台芸術を担うアーティストや制作者、スタッフ、批評家たちとともに、さまざまな国で、さまざまな新しい価値観やチャンスと出会い、ともに変化し、ともに気づき、文化芸術のこれからを、創造していきたいと願っています。

本事業について

IN TRANSIT - 異なる文化を横断する舞台芸術プロジェクト は、国際展開を目指す舞台芸術の担い手の育成事業です。アーティストに加え、スタッフや制作者、作品の価値を言語化し国際的な文脈に位置付ける批評家など、国際的な創作、舞台芸術における人材を包括的に育成します。

企画・運営を担う、株式会社precogは、これまで舞台芸術の国際交流事業に力を入れてきました。ヨーロッパ、北米、アジアにおいて、パートナーシップを結んだ海外ネットワークと連携し、担い手の海外進出をサポートするとともに、これまでのprecogの実績や知見を広く世の中に共有します。

また、本事業のプロセスと成果は、誰もが利用可能なウェブサイト等で発信するプラットフォームをつくり、ひろく同じ志をもつ舞台芸術関係者や担い手に向けて公開します。育成対象者だけではなく、5年、10年先も活用できるプラットフォームとして、持続的に、本事業の成果が活用できるような姿を目指します。

プロフィール

育成対象者について

育成対象者と共に、異なる言語・歴史・政治・習慣などさまざまな文脈に出会い、その時に生じる摩擦や葛藤、複雑さに対面しながら、それぞれが自らの創造性の幅を広げることを大事しながら、活動を展開していきます。潜在的な自らの可能性やクリエイティビティに向き合い、世界の変化にも対応するしなやかさを身につけていくこと。活動や経験をシェアし、更新し続けていくことで、自らの未来を切り開いていく力を身につけることを目指します。

2024年度より、ともに新たな国際展開を目指しその経験をアップデートするメンバーとして以下の担い手が選出されました。

アーティスト

  • 上田久美子

    奈良県出身。一般企業勤務を経て、宝塚歌劇団演出部に入団。2015年、『星逢一夜』にて読売演劇大賞優秀演出家賞。オリジナル戯曲で深遠なテーマ性とエンタテイメント性を両立させ支持を集めたが、2022年に退団。 2024 年よりセゾンフェローII。宝塚以外での作品は、2022年『バイオーム』(脚本)、2023年全国共同制作オペラ『道化師・田舎騎士道』(演出)など。2024年にprojectumï(任意団体)を設立し、アートと娯楽の境界を取り払って、多様な人々に同時代の問題を共有できる作品を生み出すことを目指している。

    ©️matron2023
  • オル太

  • Jang-Chi

    1983年生まれ。2009年に「オル太」を結成。ディレクションや演出を担い、集団的な想起から身体表現を展開する。これまでに上演した主な公演は、YPAMディレクション(2021年-2023年)、ロームシアター京都(2020年、2024年)、Lilith Performance Studio(スウェーデン、2015年)、ソウル・マージナル・シアター・フェスティバル(韓国、2014年)など。公益財団法人セゾン文化財団フェロー。

  • メグ忍者

    1988年生まれ、千葉県出身。2009年に結成したアーティスト集団「オル太」のメンバーとして活動し、脚本、映像、パフォーマンス、デザイン、企画などを担う。日常を批評性を持って見つめ、幼少期の遊びや記憶をもとに、ドローイングを拡張し、世界に対しての些細な反逆を試みる。劇作を手がけたオル太『ニッポン・イデオロギー』が第68回岸田國士戯曲賞最終候補作品にノミネート。

  • 筒井潤/dracom

    演出家、劇作家、俳優。公演芸術集団dracomリーダー。2007年京都芸術センター舞台芸術賞受賞。ニューヨークで実施されたSegal Center Japanese Playwrights Project 2018にて『ソコナイ図』が優れた戯曲に選出。dracomとしては国内外の国際フェスティバルに多数参加するほか、個人として『新長田のダンス事情』で演出、ルリー・シャバラ『ラウン・ジャガッ:極彩色に連なる声』では空間演出を担当。大阪を拠点にジャンルや形式にこだわらず、幅広く活躍している。

  • 萩原雄太・山本卓卓([日中当代表演交流会]として参加)

  • 萩原雄太

    演出家、かもめマシーン主宰。1983年生まれ。愛知県文化振興事業団「第13回AAF戯曲賞」、「利賀演劇人コンクール 2016 優秀演出家賞」を受賞。公共と個人の身体との関係を描いた創作を行う。2019年よりセゾンフェロー1に採択。24年、中国の演出家・王梦凡、キュレーター・张渊、劇作家の山本卓卓とともに日中当代表演交流会を開始。ジョージタウン大学・Laboratory For Global Performance & Politics 2024-2026の Grobal Fellow に採択される。

  • 山本卓卓

    作家・演出家・俳優・範宙遊泳代表。加速度的に倫理観が変貌する現代情報社会をビビッドに反映した劇世界を構築。子どもと一緒に楽しめる「シリーズ おとなもこどもも」、青少年や福祉施設に向けたワークショップ事業など、幅広いレパートリーを持つ。アジア諸国や北米での公演や国際共同制作、戯曲提供も多数。『バナナの花は食べられる』で第66回岸田國士戯曲賞を受賞。公益財団法人セゾン文化財団フェロー。

    ©️雨宮透貴
  • 藤田貴大

    1985年生まれ。北海道伊達市出身。演劇作家。2007年、マームとジプシーを旗揚げ。以降、全作品の作・演出を担当する。2011年に発表した三部作『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』で、第56回岸田國士戯曲賞を26歳で受賞。2013年、太平洋戦争末期の沖縄戦に動員された少女たちに着想を得て創作された今日マチ子の漫画「cocoon」を舞台化。同作で2016年、第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。2013年に初の海外公演を実現し、以降レパートリー作品やワークショップなどで国外活動を展開。2024年には「作品名ダミー」のイタリア公演を予定。

    ©️井上佐由紀
  • 牧原依里

    視覚と手話を中心とする人たちの身体感覚の視点から作品制作に取り組む。作品形態は映像、パフォーマンスなど異なるが、その作品から生まれる現象を可視化する装置を提供することで、私たちの共通性と相違性を探り続けるとともにこの世界の社会構造を浮かび上がらせる試みを行なっている。
    主な代表作品として、ろう者コミュニティにあるオンガクを概念化し、音楽の定義を問いたLISTEN リッスンなど。

    ©️池田宏

プロデューサー

  • 加藤奈紬

    舞台制作者・プロデューサー。株式会社precogでの国際事業等のアシスタントを経て、豊岡演劇祭のプロデューサーとして国内外の公演の制作を統括。2023年、アジアの舞台芸術に携わるプロデューサーで形成される国際プラットフォーム、アジア・プロデューサーズ・プラットフォーム(APP)キャンプに参加。

    ©️Nishi Junnosuke
  • 坂本もも

    合同会社範宙遊泳代表・プロデューサー/ロロ制作。学生劇団から商業演劇まで幅広く制作助手や演出部などを経験したのち、2009年よりロロ、2011年より範宙遊泳に加入して、劇団運営と公演制作を務める。特定非営利活動法人舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)、一般社団法人緊急事態舞台芸術ネットワーク(JPASN)理事。多摩美術大学 演劇舞踊デザイン学科非常勤講師。2017年に出産し、育児と演劇の両立を模索中。

  • 林香菜

    桜美林大学総合文化学群卒業。07年マームとジプシー旗揚げに参加。以降ほぼ全てのマームとジプシーの作品や、藤田の外部演出の作品で制作を担当。14年マームとジプシーを法人化し、代表に就任。

    ©️豊島望

舞台監督

  • 守山真利恵

    静岡県舞台芸術センター演出部を経て、2020年から文化庁の派遣によりロシア・ペテルブルクで研修。2021年にウクライナ侵攻を受け帰国。以降、岡田利規、小泉明郎、倉田翠など、幅広いアーティストの作品に舞台監督として参加。また、多くの国際共同制作や国際フェスティバル参加作品の技術監督・コーディネーターを担う。チェルフィッチュ技術監督、国際芸術祭あいち2025テクニカルディレクター(パフォーミングアーツ)。

批評家

  • 関根遼

    1999年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科演劇映像学コース博士後期課程在学中。専門は現代演劇、日本演劇、舞台芸術とアーカイヴをめぐる様々な実践の研究・批評。

  • 高嶋慈

    美術・舞台芸術批評。京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員。ウェブマガジン「artscape」にて連載。ジェンダーやクィア、歴史の(再)表象などを軸に、現代美術とパフォーミングアーツを横断的に批評する。近刊の共著 に『百瀬文口を寄せる Momose Aya: Interpreter』(美術出版社 、2023)。「プッチーニ『蝶々夫人』の批評的解体と、〈声〉の主体の回復 ─ノイマルクト劇場 & 市原佐都子/Q『Madama Butterfly』」にて第27回シアターアーツ賞佳作受賞。

  • 山﨑健太

    1983年生まれ。批評家、ドラマトゥルク。演劇批評誌『紙背』編集長。WEBマガジンartscapeでショートレビューを連載。2019年からは演出家・俳優の橋本清とともにy/nとして舞台作品を発表。

    ©️山端拓哉

クレジット

主催・企画制作:株式会社precog
助成:文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会

お問合せ

株式会社precog
電話番号:03-3528-9713
Email: intransit.precog[at]gmail.com

ページのトップへ ▲